2011年10月17日月曜日

失敗の記憶


自分に商才があるのかどうかと問われれば、自信を持ってハイとは言えません。まだ成功していませんから…。
また、あいつにそんなもの全然ないよ。人からはそう言われそうな営業力しか持ちあわせておりません…ハイ。(でも全国に自社のシステムを広めたいという気持ちは持ち続けています。)

特に数年前にWebプログラミングで食べていこうと決めてからは、外交的であるよりも技術志向でいこうと思い、半ば世捨人?のように仕事に没頭していました。(たしかにWebプログラミングは面白かった。)
インターネットを高度に活用してビジネスを展開するにはプログラムの力が必要でしたから、それなりに世の中から必要とされた仕事であり、営業力がなくてもやっていけるものでした。

技術志向と書きましたが、いわゆるプログラマーにとどまるつもりは毛頭ありません。
中小企業とはいえオーナー社長の息子として小さい時から会社という存在を意識して生まれ育ち、自分自身のキャリアもサラリーマン生活より経営者生活のほううんと長くなっています。
本質的には技術の先にあるビジネスに目を向けています。
請負業務で忙しくしている時も常になにかオリジナルのサービスを世に問いたいという気持ちをずっと持って来ました。
中には実際にそのつもりで自社開発してきたものもあります。

が、すべてが世の中に出ていません…

いろいろな理由があると思います。
我社に限らずシステム会社にありがちなのが、たまたま請け負って開発したものを汎用化し売り出すというパターン。これは効率的であるという利点がありますが、ビジネス的にはチャンスは掴めないと思って良いと思います。強力な営業力をもって拡販できるなら別ですが(そもそもそんな強力な営業力が必要である時点でビジネス的にどうかと思いますが…)、ほぼ失敗に終わると思います。
理由は簡単。お金を出してくれた最初のユーザーがいる時点で、もうすでに新しくないということです。開発が終わった頃には、競争にさらされていることでしょう。とくに、ここ北九州市で発生してくる案件をベースに、その後全国的にも展開できるものというのはごく少ないものだと思います。
ベースとなるものが自社で開発したシステムでなく、オープンソースを利用したり他社が開発したものを仕入れたりすることもあるでしょう。いずれも上記のパターンに属するものです。
オープンソースは数が多く埋もれて陽の目を見ていないものが多いですし、他社開発分を仕入る場合はたまたま魅力のあるものがあるかもしれません。いずれも成功の可能性がないわけではありませんが、可能性としてはグッと小さくなるのではないでしょうか。

また、世の中にでない2つめの理由として、マーケティングの問題があります。
多くのシステム開発会社にとって全国的にサービスを展開することは不慣れであると思います。
◯◯業務システムというものを高く売っていた時代は販売網やサポート体制が必要で、それなりに組織を築くことが必要でした。その後ソフトウェアの低価格化が進み、ASPやSAASなど提供方法の選択肢が増えてきて、中小企業にチャンスは広がり続けているのですが、世にどう広めていくのかという問題は常に立ちはだかっています。

我社の場合は、当初は1つめの理由により市場に相手をされないパターンでした。その後、オリジナルで開発をしないといけないと思い、実際に何度かトライしていますが、開発途中での追加要望に振り回されたり、世の中の流行りに振り回されたりで、途中で開発を断念してしまうことがほとんどでした。

今考えてみれば、インターネットやウェブでワクワクするテーマは、その時代において数が多いわけではなく、自ずと皆が考えることは同じようになっていたように思います。
それ、グループウェアだ。ブログだ。SNSだ、CGM、動画だってね。その都度、チャンスを感じ、振り回され、マーケティングの力不足を味わってきたように思います。

でも時代が変わってきているのだなと思えることに、ウェブのプラットフォーム化というものがあります。いわゆるアプリの開発ですね。
Facebookなど特定のプラットフォーム上で動くものから、スマートフォンなどの新しいデバイスで動くアプリなど、システムが動くプラットフォームはこれまでのブラウザから大きく変わってきているということです。

これにより、戦場が分散化され小企業にとってはありがたい状況になって来ました。
しかも、プラットフォーム提供側が流通網を用意してくれていますので、大企業と中小企業の差が埋まってしまいます。昨今のFreeブームと合わせて、我社のような自社で開発する力はあるけど、広める力はなかったというプログラム制作会社にとっていはチャンス到来といっていいのではないでしょうか。

実際に今開発を行っているものがあります。
イベント告知用スマートフォンアプリです。
AIRを用いて、イベントデータ入力用のデスクトップアプリと、iPhone、Android用アプリを開発し、サーバ側はBlazeDSを用いています。データストアはオブジェクトデータベースのdb4oを用いており、データ通信の過程でデータの変換を極力しなくて済むシステム基盤を目指しています。これにWebサービスのAxis2を交えたものを、今後の我社のシステム開発のパターンにしようかと考えています。
もちろんサーバはe-PORTでホスティングをし、エンタープライズレベルのシステムを、Freeを活用して世に広める戦略でいこうと考えています。

果たして結果はどう出るか…
とにかくやれるところまでやってみます。


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