2012年6月26日火曜日

ネーミングの罠と、時代とともに変わる言葉のニュアンス


先日、とある地域イベントのテーマを決める会合に出席する機会を得ました。
八幡東区の「まつり起業祭」です。

もともとは八幡製鐵所主催のお祭り「起業祭」でしたが、現在では市民のお祭りとなっています。
人口7万人の八幡東区の中央町界隈に3日間で60万人を超える人が集まります。おとなりの八幡西区の人口26万人を考えても、ずいぶんと人が集まるお祭りであることはおわかりいただけると思います。

また、起業祭は世代を超えて八幡の人の共通の話題となっています。昔は起業祭の頃(昔は11月18日を挟んで3日間開催)には雪が降ったものだとか、コートを出す時期だったなど天候の話題から、11月18日は学校が休みだったとか、ただただ人の流れに従って歩くしかできない人の多さなど、八幡の人なら「そうそう!」と頷ける共通の体験なのです。

八幡人のDNAに刻み込まれているお祭の今年のテーマは、手続きを経て正式に決まると思いますので、内容は差し控えますが、その会合で思ったことを綴ります。

それはネーミングで陥りやすい罠です。
分不相応や希望的観測のネーミングが採用されがちで、もう見ていられないということです。

地域の活性化などで、ネーミングやテーマを決めることが日本各地で行われているのではないかと思います。
その多くは、話し合いの上決められますので、尖っているけど輝いている言葉や具体的なことを想起する言葉より、皆に関係のある無難な言葉が選ばれがちです。

「美味しさ発見!◯◯商店街!」は、金物屋さんや呉服屋さんの反対で採用されずに、
「元気発信!◯◯商店街!」となりがちなのです。

もう、地域おこしで「元気発信」禁止令を出したいくらい、典型的な伝わらない言葉だと思います。人が集まって賑やかになって欲しいという気持ちや企画意図はわかりますが、それを「元気発信」と表現してはせっかくの企画に人が集まらないと思うのです。

また「◯◯から世界へ発信!」もありがちですね。「世界」と言われても…と引いてしまう人が多いのではないでしょうか。

かつてNHKの番組に「明るい農村」というものがありました。
「明るい農村」と聞いて「明るい」農村をイメージする人がどのくらいいるのでしょうか?
実際には、「明るい」はネーミング側の希望であって、現実は逆と感じてしまう人が多いのではないでしょうか。
僕は、すごく暗い農村をイメージします。「明るい」と言ってあげないといけないくらい、手の施しようのない「暗さ」を感じてしまうのです。

こうなるとネガティブキャンペーンをやっているようなもので、プラスどころかマイナスイメージを流布しているに等しいのですが、残念ながらそんな言葉が溢れている現実なんじゃないかと思います。

また厄介なのは、「元気発信」自体を否定しづらいということがありますね。
「今年のキャッチフレーズは『元気発信』に決まったよ!」と言われて否定できる人は少ないと思います。本来の意味はプラスですし、対抗案がなければ否定はしづらいのかと…

となると、決める人の責任は重大になってきますね。

少し話が変わりますが、ネーミングでは、その時代にあった言葉を選ぶことがとても重要だと思います。今なら「エコ」を使ったネーミングはとても多いのではないでしょうか。

今年の「まつり起業祭」のテーマ候補に「ありがとう」を使ったものがありました。この「ありがとう」を使ったテーマは、(起業祭のテーマとして)今までなかったものですし、個人的には今の時代に合っていてとても良いと思いました。

しかしながら、震災後に日本中で広まっている感謝の気持という意味では時代を表しているが、テーマとして採用するとなると、何に対する「ありがとう」か分からないため、唐突な感じがするというのが多数の意見でした。

でも、僕はこの「ありがとう」の意味が少しづつ変わってきているように思うのです。
何かに対して「ありがとう」と感謝するということは、感謝の前提として、何かの施しを受けているということになります。もちろんそういう使われ方が大半だと思いますが。

自分が耳にして印象に残っている…というか、レベルが違うなと感じる感謝の言葉は、トップを極めたスポーツ選手やビジネスマンの口から発せられるものです。まず、間違いなく感謝の言葉が出てきますし、その感謝の対象が逆境の時代を含めたものであったりします。

つまり何かの施しを受けたことに感謝しているのではなく、成功へと導かれた道程、もっと言うなら逆境を含めた現実に対して感謝をしているように思うのです。もちろん、そこには人との出会いやエピソードなど様々なことがあるのでしょうが、突き詰めると現実に感謝をしている。

おそらく、つらいことを含めて現実を受け入れバネとするメンタルあっての成功なんじゃないかと思います。成功者のプラス思考は世に伝播するのも早いですので、「ありがとう」の意味が何気ない現実を対象とするものに、少しづつ変わってくるのではないかと思うのです。

とは言え、多数の意見が現実を表していますので、「ありがとう」をテーマとするのは時期尚早だということだったのでしょうね。

安易なプラス言葉に決まりやすいネーミングやテーマの決定ですが、受け手がどう感じるかということを謙虚に考えることが大切なんだろうと思います。

また、言葉のもつニュアンスは微妙に変わってきていると思います。うまくハマったキャッチーなフレーズを作ってみたいものですね。


今回は、テーマ選定の会議から感じたことを綴ってみました。
一部、会議の内容を題材としていますが、会議についてどうのこうのいうつもりはありません。







2011年12月6日火曜日

facebookが生み出すもの


こんなふうに「こと」が始まるのだろうか?
と思うことがありました。

と、いきなり本題に入りそうは書き出しなのに、まずは近況の報告から。

今、会社でデスクミトンを売出し中です。
一週間前にネットショップをオープンしました。

サイトのオープンというと、この時点で力尽きてしまうパターンが多く、自分自身がそうならないように戒めないといけませんが、一つの区切りであることは間違いありません。

今から思えば、発想から発売開始まで濃密な6ヶ月間でした。
とはいえ、チャレンジ好きの自分の回りにいるのは、自分と同じタイプの人間なんでしょう、楽しく乗り切ることが出来ました。ただただ、感謝、感謝です。

さてと、これから先どうやっていくかを考えなくてはなりません。もちろん今まで何も考えていなかったわけではありませんが、ちょっと整理をし、仕切りなおしてみます。

今までは、製品を企画開発し販売の準備をするという、比較的ゴールと道筋が明確な作業ばかりでした。その結果も、多くの方のご尽力をいただきながら、良いものを作ることができたと自負しています。

一方、これからは「売る」ことがゴールです。(もっと長期の崇高な?ゴールもありますが..)ゴールは明解なのですが、それに至る道筋は定められたものがなく、ひとたび道を誤ったり、やるべきことを疎かにすると、とたんに険しい道になることが予想されます。

良いものが世の中に溢れかえっています。またネット上にはジャンクな情報も溢れかえっています。情報を欲する人に与えるという単純なことをしたいのですが、ネットの時代とて大変な思いをします。おそらく販売に携わっているすべての人が悩んでいることでしょう。従来のメディアはそれに対して、あざとく提案をしてきます。

あなたの商品をセレクトされた情報のように紹介するからお金をくださいということです。一見広告とは見えない方法で視聴者や読者に訴求するペイドパブリシティというやつですね。電波や紙面の切り売りは、自らの価値を下げる行為だと思うのですが、まかり通っているようですね。

魅力のある提案もありましたが、到底元が取れそうにない金額ですので、今のところ全て却下となっています。綺麗事は言ってられませんが、もともとネットで売る体験をノウハウとしていくことが本プロジェクトの目的のひとつです。お金を使って従来メディアに頼ってはノウハウとは言えないわけです。

とにかくネットで売るために、情熱と時間を費やさなければなりません。

それはそうと、冒頭の「こと」の始まりの予感の話です。
ここ数カ月、facebookをきっかけとした出会いが多くなっていますが、その中に何人か自分にないものを持っているスゴイ人がいます。(あ、厳密にいえば皆だ)

その中の一人に同業者といいますか、自分と同じ領域であるWebプログラムの世界に精通した人がいます。システムとWebビジネスにおいてセンスの光る人で、時代の先端を走ってきた人です。
もし自分が中央で勝負をしていたら、彼と同じように時代の先端を目にすることができただろうか?一緒にいると、そんな淡い夢を見させてくれる臨場感のある話を耳にすることができます。

そんな心のグルから、とあるプロジェクトを一緒にやらないかというお誘いがありました。すぐに売り上げが立つ「仕事」ではなく、自由にやれる自主企画です。自由にやれるからこそ自分にとって価値があるプロジェクトです。

こんなきっかけを生むfacebookは凄い。少なくとも官による起業支援より成果を生んでいるのは、実感として間違いないと思います。

2011年11月14日月曜日

facebookページ


デスクミトンのfacebookページを作っています。今日現在でいいねが40人。寒さを実感する季節にならないとなかなか動きも悪いのでしょうが、正直もう少しいいねが欲しいなというのが実感です。

今回、「いいね」を獲得するにあたり、ちょっとだけ方針を設けました。facebookは人と人のつながりで良いものが広がっていく世界ですから、基本的に知人に紹介して「いいね」を獲得するのが基本だと思います。地域密着のビジネスならあたり前すぎて語らないレベルの話ですが、地方から全国に向けた展開を考えた場合、知らない人が話題にするくらいでなければホンモノではないだろうと考えました。
そこで今回、自分自身は「いいね」をしていません。(まぁ、いずれすることになると思いますが、自分の発言回数や友達の人数を考えると、影響はわずかであるのは目に見えているのですが…)
知らない人が話題にするにはどのような方策を取っていけばいいのか?ハードな課題ですが、そのほうが頭が回りだすというものです。そんな課題を設けてみたわけです。

やったことは、前回のプレスリリース。
これによる、効果的は皆無に近いですね。利点はさまざまなニュースサイトにニュースが掲載されるので、公開後間もないサイトでもそこそこ検索順位が上がることと、ニュースサイトへの掲載がほぼ半永久的ですので検索順位に対する効果も同じくらい長い目で期待できることです。
結果はなしでも、今後も利用していきたい対策です。

プレスリリースは、本来のプレスリリースという意味ではまだ行っていません。本来のという語弊があると思いますが、出版社やテレビ局などのメディアに対してリリースを行なうということです。
当初これに力を注ごうと考えていました。なぜなら、プレスリリースが成功すれば、売れる売れないという結果はどうであれ、話題作りという点ではある程度合格点が与えられるからです。それに、自分の経験が少ない分野ですのでとにかくやってみたいという気持ちも多分にありました。
いずれにせよ、地方から全国向けのビジネスを考えた場合、メディア対策がどうしても弱くなりがちです。この辺の経験は、今後の力になりそうだなと思ったわけですが、今回、残念ながら製造まで時間がかかってしまい、恐らく出版系メディアに対しては手遅れとなってしまったように思います。(それでもやってみますがね。)

もうひとつはfacebookページの広告出稿です。「いいね」の数だけを目標にするなら、これは欠かせません。facebookへの広告出稿ははじめてで少し不安がありましたが、低コストではじめられ、ターゲットもしぼれるということで、商品やサービスによってはかなり有効に機能しそうな気がします。
Facebookページを告知するための人脈ネットワークがない方は、まずはfacebook広告を出稿しないことには始まらない感がありますね。

話はそれますが、自分の悪い癖なんだか、システム開発が突きつけられている現実を見据えているからか、地方で請負業務だけに頼ってしまうのはかなりのリスクだと考えています。(なので身の丈を超えたような、取り組みに常にあがいていると言うか…)
というのも、以前にも書いたとおり、インターネットの世界から難しいことがなくなってきています。以前は、インターネット上のプロトコルがプラットフォームであり、技術屋の出番があったのですが、facebookなどのSNSや、各種オープンソースプログラムがプラットフォームとなり、技術屋さんというよりは、それを熱心にやっている専門家が幅を効かせてくるようになりました。つまり、グッと敷居が低くなった感じですね。今なら、facebookを1ヶ月ほど熱心にやれば、専門家として中小企業を相手に商売を始めることが可能だと思います。

ですが、昔も今も変わっていないことがあります。
クライアントのテーマはいつも一貫しています。インターネットを活用してビジネスをする。多くの場合はモノを売ることがテーマなのです。
このとき、ホームページを作れば儲けますよと言っていた人は、ブログを書けば良いと言い、Twitterでつぶやくことを薦め、今はfacebookページを持てと言っていることでしょう。
その中には時流に乗って成功した人もいるかも知れませんが、大多数の人はこれらの手段に中に潜む本質的なことに気が付かないまま、ポシャっていると思います。少なくとも、投資に対してリターンが見合っていないはず…

本質的なことは何かといえば、これまでの文脈からすると、マーケティングとか購買心理とかになりそうな雰囲気ですね。実際にそんなことを書こうと思いつつ、ふと気がついた。
それも手段だ。それよりももっと根源的に沸々としたものが必要だ。そして、自分にそれが欠けていたとすると、今までのことがずいぶんと納得がいく。

どことなく、他人行儀な文章をよんでいて気がついた。自分に足りなかったもの。
情熱。揺らぎないもの。意図せず周りを巻き込むもの。覚悟といってもいいかもしれない。

なんという脈絡のなさ!

仕方がない、今ふと気がついたのだから。気がつくのが遅いくらいだが、気が付かないよりはずっとマシだ。今のタイミングで気がついたことに感謝しよう。

ブログを書いていると、文章を書くことによって心の内までもが晒されてくる、ということに気が付きます。決して直接的な表現がなくても、心の中が現れてくる。
冷静に自分を見る目も必要だがそのウェイトが高すぎるのは起業時においては致命的。
自分の文章を読んで気がつくのはご愛嬌だが、これもまたお勉強です。

もう少し、ベタベタ、ネチネチした心が現れるような文章表現になった時が、ようやくひとつ成長した時なのかもしれません。
(ということで、自分でも「いいね!」してみました ^^; 41人です。ウッシッシッ)

2011年10月25日火曜日

第一関門に苦悶中


開発中のデスクミトンのプレスリリースを行いました。

ネット上のプレスリリースサービスを利用したものです。始めて知った頃は数千円のレベルでしたが、今は数万円のサービスになっていますね。そのかわり、いろいろなネットメディアに掲載されることがほぼ約束されているようです。
ですので手っ取り早いSEOとしてはかなり有効な部類と思います。もちろんリリース内容によっては新聞に取り上げられたりすることがあり(実際にお客さまのリリースを手伝ったときは、地方経済誌1面トップという期待以上の取り上げられ方をしました)、うまくいけば数万はすぐに取り戻すことができるサービスです。

そんな、プレスリリースサービスを利用して、デスクミトンの発売予告のリリースを行いました。まだ、工場での試作品しか手元にないレベルですので、メディア関係者や取り扱いを希望される店舗の方向けに無料試供品を提供するという内容です。

リリースをして12時間ほど経過しましたが、問い合わせは1件、facebookの「いいね」はゼロ件です。

この程度でへこたれてはいけないのですが、facebookのいいねゼロ件は少し凹みますね。
(facebookですから、知り合いを核に広げていく方法が正攻法でしょうが、今回は敢えてそれをしませんでした。プレスリリースでどこまでやれるのかを測定する意図があったのですが、ちょっと雲行きが怪しそうです…)

早めに第2段のリリースをしないといけませんね。今度はどのようなリリースにするべきか?苦悶中です。

2011年10月24日月曜日

マチおこしという難題とグルとの出会い


地元に残る人


高齢化が進み人口が減っている地方の町に、賑わいを取り戻していくことはとても困難なことだと思います。私が言うまでもなく、多くの人達が苦労と失敗を重ね、ノウハウを築きあげてきているのではないかと思います。

いきなり話が変わりますが、高校を卒業して暫く(随分?)経つと、同窓会の幹事当番が回ってきます…よね?
私の母校である福岡県立東筑高校の来年の同窓会は、我々82期の当番となっています。
今年の東筑高校の同窓会は、1年先輩のご尽力により盛大に開催されました。6月のことです。

その頃からでしょうか、長年散り散りになっていた同期生たちの連絡が急に活発になってきて、変な話、高校時代にひと言も話をしていない人たちと昔話で盛り上がったりすることになってきました。
そう、同窓会の幹事を乗り切るためにはまず人集めということで、どんどん連絡が活発になってきたのです。

実は、そのちょっと前から疑問に思っていたことがあります。
卒業後、四半世紀を過ぎて、地元に残っている人がどのくらいいるのだろうか?ということです。曲がりなりにも地元の進学校です。高校卒業と同時に1度はバラバラになってしまいます。その後、八幡に戻ってこれる人が何人いるのだろうか?ということです。

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余談ですが、これは、自分の家族に対しても同じ思いがあります。
子供たちが、大学進学とともに地元に戻ってこれないのであれば、いっそ今のうちに家族ごと引っ越してしまうのも手なのではないかと…
とはいっても、これは地域や親戚との結びつきを考えていない極論ですし、子供たちの興味の分野によっては何処に住んでいてもバラバラになるリスクはあるので、とても実行には移せませんが…
しかし、若者が大都市で武者修行し、地元に戻って暮らしていくことが出来れば(つまりそれだけの都市の規模があれば)、それはとてもハッピーな都市だと思います。
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同窓会のお世話をする以上、やはり地元にいるメンバーが機敏に動かないと乗り切れないでしょう。一体どれだけ地元に残っているのだろうという興味があったのです。
そうこうしているうちに、自分が同期会の集まりに顔を出し始めた頃には、中心となり献身的に動いているメンバーが出揃っていました。職業は、教師、サラリーマン、自営業という感じでしょうか。やはり、地元に残ることができる最大の就職先は役所や学校教員などでしょうね。
自営業者は、資格を必要とする自営業です。これも、ありなのかもしれません。

資格を必要としない分野で、地元で起業している方が二人いました。

自分はこの出会いを求めていたのかもしれません。自分の場合だけかもしれませんが、外からの刺激がないと迷走してしまいそうな気になるのです。
黙っていれば仕事が回るというような甘い立場ではないのに、どちらかというと黙って仕事をしていたのです。こんな世の中ですから、ともすると迷走してしまいかねない訳です。必然的に同じような立場で頑張っている人から何かを学びたいという気持ちがあったのだと思います。

ふたりともマチおこしをしたいという点では共通していて、多大な刺激を受けているのは同じなのですが、今日はそのうち一人にスポットを当てたいと思います。

地元に戻る人


地元に残っている人は、前に書いたように公務員などの職業の方が多いのですが、彼は地元に戻ってきた人です。戻ってきた詳しい経緯はまでは知りませんが、もともと大手コンテンツ企業に務めていて、話をする限り
・会議等で仕事を前に進める力
・人付き合いを通して仕事を前に進める力
のいずれも高いレベルで持っていそうです。
また、
・仕事の意味づけ
に長けているとでもいいましょうか、全体があっての部分であることの意味づけや、時系列的なロードマップ上の何処に位置するものかなどを考え、伝えることができる優秀なプランナーでもあり、とても企業が放っておくタイプの人には思えませんでした。

その彼が地元に戻ってきてやろうとしていることが、黒崎のマチおこしなのです。

これまた難題を!

正直な最初の印象です。
このことを始めて知ったのは新聞を通してでした。今までの「町おこし」的な活動しか知らない自分は、町おこしに企業というリスクのある立場で取り組む彼の姿勢は無謀な挑戦に見受けられたのです。

今となっては定期的に顔を合わせるようになっていますが、(高校時代を含め)彼とはじめて話をする機会を得たのは、新聞記事で彼の動きを知った少し後のことでした。

頭の中を垣間見る


彼と会い、話をしてみてびっくりしました。

・地元に戻って2年ほどで、市内で頑張っているキーマンを全て知っているのではないかという人脈を築いている。
・彼が思う事業をやるうえで、どうしても口説かなければいけない人を1年がかりで説得し、結果として協力を得ている。

というような、「人」を巡る動きもさることながら、

・彼がやろうとしている事業とマチづくりを紐付ける周辺事業の企画力とそのための動き

も活発に行っているようでした。

例えば「黒崎まちなか大学」というものがあります。
これは、おそらく彼のマチおこしの企画が実現したのではないかと思います。
この「黒崎まちなか大学」、ホームページでは全容を読み取りにくいですが、売り手と買い手という従来の垣根を超えて、コミュニケーションや人と人のつながりを作ってそれを商店街の活性化につなげようという、とてもいい企画だと思います。

いろいろな質問を彼にぶつけてみましたが、どんな具体的な質問にも、またどんな抽象的な質問にも即座に答えられるだけの準備が整っているように見受けられました。
恐らく「黒崎まちなか大学」も大きなロードマップの一部にすぎないのだと思います。

世の中には、いろいろな人がいるものだなと同期ながら尊敬したことを覚えています。

翻って自分を省みる


翻って自分を省みた時、
・やろうとしていることに対する準備ができているかどうか、
・毎日の動きが目標に向かっているか、
など、強烈に反省しました。

成功する人には色々なタイプの人がいるとは思いますが、すくなくとも何度も成功する人の頭の中では、成功までのストーリーが具体的に描けているんじゃないかと思います。
もちろん成功のために誰しも努力をすると思いますが「ここまでやったから大丈夫だ」と安易に考えてしまいがちなのではないかと思います。
「ここまでやったから大丈夫だ」と言えるか言えないかの判断は、全体的な構想力をもって企画し、情報を収集しストーリーを描いたものだけにしかわからないのではないかと思いました。

実は、彼以外にもWeb系のグルとも言える人との出会いがありました。よく考えてみると(一人は高校同期というきっかけがあったとはいえ)、きっかけはfacebookです。最近はmixiが敬遠されてfacebook一辺倒になってきていますが、人と人のつながりが求められている今の時代とfacebookがうまくマッチしたのではないかと思います。


明日、re.Treeのリリースを行います。
行き当たりばったりではダメだぞと言い聞かせながら、第一弾のリリースだからこれまででいいやという甘えも見え隠れしてきて、最終的には遅れることのリスクからリリースに踏み切りました。まずは、どのような反響があるのかを見極めたいと思います。






2011年10月20日木曜日

万能川柳月間賞


母ちゃん(妻)がやってくれました。
万能川柳初投句にして掲載されたばかりではなく、月間賞をとってしまいました。
http://mainichi.jp/enta/art/senryu/news/20111014ddm013070057000c.html

おっぱいを飲み飽きた児がギッと噛み

その立場に立ったことのない人にとって、この視点は持ちようがないですが、
視点の斬新さだけで万能川柳の月間賞をとったとは思えません。
なにせ、1万528通の中のトップ4なのですから。

ポイントは、赤ちゃんが「ギッと噛む」ことにありそうです。
天使のように形容される赤ちゃんがギッと噛むのです。

ぷよぷよしたお顔で、泣いたり、笑ったり。
周りをあたふたさせることがあると思えば、笑わせたり、ホンワカ気分にさせたり。

でも、何も知らない顔をして、実は操っているのは赤ちゃんじゃないかと...
無垢な顔して罪深いものです。

でも、緊張がほどけたのでしょうか?
うまく隠し通せたと思った素性が、おっぱいを飲み飽きたときにふと出てしまったようです。
ギッと噛むくらいですから、隠している素性はなかなかのモノかもしれません。

そんな、想像が駆り立てられことが、この句の良さなのでしょう。

ギッと噛んだ本人の赤ちゃん様は、只今1歳6ヶ月。
父ちゃんはしっかり門下に下り、下僕となっています。

2011年10月17日月曜日

失敗の記憶


自分に商才があるのかどうかと問われれば、自信を持ってハイとは言えません。まだ成功していませんから…。
また、あいつにそんなもの全然ないよ。人からはそう言われそうな営業力しか持ちあわせておりません…ハイ。(でも全国に自社のシステムを広めたいという気持ちは持ち続けています。)

特に数年前にWebプログラミングで食べていこうと決めてからは、外交的であるよりも技術志向でいこうと思い、半ば世捨人?のように仕事に没頭していました。(たしかにWebプログラミングは面白かった。)
インターネットを高度に活用してビジネスを展開するにはプログラムの力が必要でしたから、それなりに世の中から必要とされた仕事であり、営業力がなくてもやっていけるものでした。

技術志向と書きましたが、いわゆるプログラマーにとどまるつもりは毛頭ありません。
中小企業とはいえオーナー社長の息子として小さい時から会社という存在を意識して生まれ育ち、自分自身のキャリアもサラリーマン生活より経営者生活のほううんと長くなっています。
本質的には技術の先にあるビジネスに目を向けています。
請負業務で忙しくしている時も常になにかオリジナルのサービスを世に問いたいという気持ちをずっと持って来ました。
中には実際にそのつもりで自社開発してきたものもあります。

が、すべてが世の中に出ていません…

いろいろな理由があると思います。
我社に限らずシステム会社にありがちなのが、たまたま請け負って開発したものを汎用化し売り出すというパターン。これは効率的であるという利点がありますが、ビジネス的にはチャンスは掴めないと思って良いと思います。強力な営業力をもって拡販できるなら別ですが(そもそもそんな強力な営業力が必要である時点でビジネス的にどうかと思いますが…)、ほぼ失敗に終わると思います。
理由は簡単。お金を出してくれた最初のユーザーがいる時点で、もうすでに新しくないということです。開発が終わった頃には、競争にさらされていることでしょう。とくに、ここ北九州市で発生してくる案件をベースに、その後全国的にも展開できるものというのはごく少ないものだと思います。
ベースとなるものが自社で開発したシステムでなく、オープンソースを利用したり他社が開発したものを仕入れたりすることもあるでしょう。いずれも上記のパターンに属するものです。
オープンソースは数が多く埋もれて陽の目を見ていないものが多いですし、他社開発分を仕入る場合はたまたま魅力のあるものがあるかもしれません。いずれも成功の可能性がないわけではありませんが、可能性としてはグッと小さくなるのではないでしょうか。

また、世の中にでない2つめの理由として、マーケティングの問題があります。
多くのシステム開発会社にとって全国的にサービスを展開することは不慣れであると思います。
◯◯業務システムというものを高く売っていた時代は販売網やサポート体制が必要で、それなりに組織を築くことが必要でした。その後ソフトウェアの低価格化が進み、ASPやSAASなど提供方法の選択肢が増えてきて、中小企業にチャンスは広がり続けているのですが、世にどう広めていくのかという問題は常に立ちはだかっています。

我社の場合は、当初は1つめの理由により市場に相手をされないパターンでした。その後、オリジナルで開発をしないといけないと思い、実際に何度かトライしていますが、開発途中での追加要望に振り回されたり、世の中の流行りに振り回されたりで、途中で開発を断念してしまうことがほとんどでした。

今考えてみれば、インターネットやウェブでワクワクするテーマは、その時代において数が多いわけではなく、自ずと皆が考えることは同じようになっていたように思います。
それ、グループウェアだ。ブログだ。SNSだ、CGM、動画だってね。その都度、チャンスを感じ、振り回され、マーケティングの力不足を味わってきたように思います。

でも時代が変わってきているのだなと思えることに、ウェブのプラットフォーム化というものがあります。いわゆるアプリの開発ですね。
Facebookなど特定のプラットフォーム上で動くものから、スマートフォンなどの新しいデバイスで動くアプリなど、システムが動くプラットフォームはこれまでのブラウザから大きく変わってきているということです。

これにより、戦場が分散化され小企業にとってはありがたい状況になって来ました。
しかも、プラットフォーム提供側が流通網を用意してくれていますので、大企業と中小企業の差が埋まってしまいます。昨今のFreeブームと合わせて、我社のような自社で開発する力はあるけど、広める力はなかったというプログラム制作会社にとっていはチャンス到来といっていいのではないでしょうか。

実際に今開発を行っているものがあります。
イベント告知用スマートフォンアプリです。
AIRを用いて、イベントデータ入力用のデスクトップアプリと、iPhone、Android用アプリを開発し、サーバ側はBlazeDSを用いています。データストアはオブジェクトデータベースのdb4oを用いており、データ通信の過程でデータの変換を極力しなくて済むシステム基盤を目指しています。これにWebサービスのAxis2を交えたものを、今後の我社のシステム開発のパターンにしようかと考えています。
もちろんサーバはe-PORTでホスティングをし、エンタープライズレベルのシステムを、Freeを活用して世に広める戦略でいこうと考えています。

果たして結果はどう出るか…
とにかくやれるところまでやってみます。